難聴(耳が聞こえにくい)

難聴(耳が聞こえにくい)にも様々な種類がある

難聴(耳が聞こえにくい)にも様々な種類がある人間の耳の構造は、外耳、中耳、内耳という3つの部分からできています。音は外耳道を通って鼓膜にキャッチされ、耳小骨により内耳に伝えられます。内耳に入った音を有毛細胞が電気信号に変え、蝸牛神経を通って脳に伝えられます。このように、耳の器官が各々の役割を担っているおかげで、わたしたちは正しく音を聞き取ることができているのです。

耳が聞こえにくい=難聴は、耳のどの部分に問題があるかによって種類が変わってきます。
外耳もしくは中耳に原因がある伝音難聴(でんおんなんちょう)、内耳や蝸牛神経、脳に原因がある感音難聴(かんおんなんちょう)、伝音難聴と感音難聴の2つが合わさった混合性難聴があります。

難聴と突発性難聴について

診察室難聴は耳が聞こえにくくなる病気ですが、突発性難聴はまさに字のまま、急に片方の耳の聞こえが悪くなる病気です。原因ははっきりとはわかっていませんが、過労やストレス、睡眠不足などが関係すると考えられています。突発性難聴は早く治療を始めるほど、治る見込みが高くなる病気です。異常を感じたらすぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

難聴になるのはなぜ?

耳垢、外耳炎などの外耳の病気、耳管狭窄症や中耳炎などの中耳の病気、メニエール病や突発性難聴、加齢による老人性の難聴などの内耳の病気が原因となります。

難聴の場合このような病気が考えられます

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、中耳腔に液体が溜まる病気のことです。子どもの難聴の原因として一番多いのが滲出性中耳炎で、3~6歳の小さなお子さんに多くみられます。軽度ですが耳が聞こえにくいため、テレビのボリュームが大きい、呼んでいるのに返事がないことなどから病気に気づいたり、検診などでわかったりすることがあります。

慢性中耳炎

慢性的に中耳に炎症や耳垂れが起こることをいいます。急性中耳炎が治りきらずに耳垂れをくり返したり、細菌感染が起こって耳が聞こえにくくなったりします。急性中耳炎とはちがって鼓膜に穴が開いたままになっているので、中耳腔に膿が溜まっても圧迫されず、一般的に耳がひどく痛むことはありません。

真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)

真珠腫性中耳炎は、鼓膜の一部分が中耳側に入り込み、細菌などに感染して周囲の骨を壊してしまう病気です。くさい臭いがする耳垂れや、痛みが出ます。耳小骨が破壊されると耳が聞こえにくくなり、病気が進行して起こる合併症には、顔面神経麻痺、髄膜炎、脳膿瘍などがあります。先天性真珠腫と後天性真珠腫があります。

好酸球性中耳炎

好酸球性中耳炎は中耳腔に、にかわ状のねばねばした液体が溜まる病気です。溜まっている液体には好酸球と呼ばれる白血球のひとつが多く含まれています。好酸球性中耳炎にかかる方の多くが気管支ぜんそくを発症していて、40~50歳代の女性の方がかかりやすいといわれています。好酸球性中耳炎は診断までに時間がかかったり、再発しやすかったりすることもあり、一度かかると治りにくい病気です。

難聴のQ&A

急に耳が聞こえにくくなり、突発性難聴と言われました。原因は何ですか?

Q&Aはっきりとした原因はわかっていません。しかし、過労、ストレス、睡眠不足などがきっかけになると考えられています。難聴の程度が大きければ大きいほど治りにくくなります。発症から治療開始までの時間が経てば経つほど治りが悪くなります。また最初に激しいめまい発作を伴っていれば治りがさらに悪くなります。治療としては、ステロイド、ビタミン剤、血流改善剤などを使用します。聴力やめまいの程度、合併症によっては入院を必要とすることもあります。とにかく治療を早く始めることが重要です。聞こえづらいと思ったらすぐに受診するようにしましょう。

難聴が進むとどうなりますか?

聞こえが悪くなるとご家族やお友達との会話にも参加しにくくなり、まわりの方とのコミュニケーションが取りにくくなる場合があります。外では自動車の音や気配を感じにくくなり危険な状態となります。また、耳からの刺激が少なくなることで、脳の活動が鈍り、消極的な性格になってしまうケースもあります。高齢者の場合は、難聴が進行することで認知症になる確率が高まります。

難聴は治りますか?

伝音難聴は、治療によって回復できるものが多いといえます。また感音難聴でも、急に聞こえが悪くなったものでは治る可能性が高い病気もあります。突発性難聴や急性音響外傷などです。しかし、老人性難聴など少しずつ進行する難聴や、先天的な感音難聴などは治すことが難しいと考えられています。
治療に取りかかる時期が早いほど治る確率が高くなる病気もあります。少しでも異常を感じたり、ご家族から「耳が聞こえづらいのでは?」と聞かれたりしましたら、当クリニックまで早めにご相談ください。

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