院長コラム

2020.02.05

鼓膜穿孔治療剤リティンパ

立春も過ぎ梅も見ごろとなってきましたが、世間は新型肺炎の話題一色となっています。やはりマスクをして人ごみの中に入らないこと、頻回に手洗いをすることに留意ください。

今月の話題は昨年12月に発売されました鼓膜穿孔治療剤リティンパという薬です。滲出性中耳炎のチューブ脱落後の鼓膜穿孔や外傷による残った鼓膜穿孔、慢性中耳炎で鼓膜穿孔のみ残っている場合などが適応になります。外来局所麻酔での手術になります。
手順はまず鼓膜麻酔液を浸した綿花を鼓膜穿孔にあてて局所麻酔をします。鼓膜穿孔の周りを傷をつけて鼓膜の再生を促すために新しい傷口を作ります。そこにリティンパに付属しているトラフェルミンという薬に浸したゼラチンスポンジを適当な大きさに切って新しい傷口に詰め込みます。その上から組織接着剤で固定して終了となります。
手術時間は麻酔の15分を除いて20分から30分程度です。
1週間後と1ヶ月に再診して術後経過を観察します。1ヶ月後の所見で問題なければ穿孔閉鎖が確認できます。
当院では発売直後より、リティンパを使用した鼓膜穿孔閉鎖術を行っておりますので、鼓膜に穴がありお困りの方は是非一度ご相談ください。
手術費用は3割負担の方で18,000円程度ですが、その他の検査が必要になることがあります。この手術の適応になるかどうかは、まず一度診察をお受けください。